うつ・自律神経失調症について学ぶ 中級講座【3】心療内科と精神科どちらを選べばいいの?

「自律神経失調症は何科に行けばいいのか?」とよく聞かれますが、一度は必ず内科や脳神経外科に行くことをお勧めします。何故なら、命にかかわる病気が隠れている可能性があるからです。

通常、体に色々な症状が出ているのに、検査で異常がみられない場合に自律神経失調症と診断されることが多いです。また自律神経失調症という診断名を使わずに、自律神経失調症による「胃腸炎」といった具合に症状の主訴の原因を診断名に使う先生もおられます。

心の問題の場合は何科に行けばいいのかという疑問もあります。そもそも「心療内科と精神科の違いって何んだろう?」と思う方もいらっしゃると思います。
また「私はどっちに行けばいいのかな?」と思う方もいらっしゃると思います。

似ている科として、精神科・心療内科・神経科・があります。病気の種類によって、受診する「科」も違います。
別に知らなくても、病院に行けば適切な科を教えてくれますが、知っておくと、アチコチの病院に回されて時間とお金を無駄にしなくてすみます。
最近は患者さんが少ないので自分の科が適切ではなくとも、患者さんが欲しいがために自分のところで見てしまう先生もおられます。

心療内科

心療内科は主に心身症を扱います。心身症とは体の病気のことですから、体の症状がメインです。簡単に言うと、心に原因があっても体に症状が出ている状態は心療内科です。例えば精神的ストレスから来る胃潰瘍や神経性大腸炎、心臓神経症などがそれに当たると思います。自律神経失調症は、心療内科に行くことをお勧めします。

精神科

精神科は、精神疾患を専門に扱う科です。わかりやすく言えば、心の症状や心の病気を扱う科であるということです。心の症状とは、不安、抑うつ、不眠、イライラ、幻覚、幻聴、妄想などのことです。でも、少しぐらいなら空耳、短気や気が小さいなど、線引きが難しいところです。うつの場合は、精神科を受診することをお勧めします。

よく町の開業医で、「心療内科」という標榜がなされていても、実際は精神科である、ということがあります。なぜそうなるのかというと、「精神科」と書くと患者さんが来にくいからということもあるそうです。

「病院の検査では異常がなく、薬だけ出されて不安」という方。また「病院では大したことをしてくれない」と思われる方は整体や鍼灸などに受診することをお勧めします。

うつナビゲーター 鈴木直人

うつナビゲーター 鈴木直人