自律神経失調症・うつの具体的な症状と対策 呼吸と姿勢と自律神経の密接な関係

自律神経失調症やうつには「息苦しい」とか「息がうまく吸えない」という症状があります。
今まで自律神経失調症やうつの方と関わってきて感じるのは、そのような方は、必ず姿勢が乱れているということです。

例えば腹式呼吸がうまく出来ないだけで、姿勢の乱れも起こるし、自律神経の乱れも起こりやすいのですね。

日頃から姿勢が悪いと思っている方は、自覚があるのでまだいいのですが、自分では姿勢がよいと思っている人の方が、気付いていない分だけ姿勢による自律神経の乱れが出てくることがよくあります。
特に腹式呼吸は自律神経の沈静に関連があります。

姿勢の種類その1、猫背

では最初に、一般的な「姿勢が悪い」と言われる、姿勢からお話していきます。

一般に言われる姿勢が悪い人は、猫背と言われます。
医学的には胸椎Kyphosis(カイホーシス)といいます。つまり背中が丸まっている状態です。

猫背の人の特徴は、顔が前方に移動します。
背中が丸まっているので、首が後に折れ曲がるようにして前を向きます。
多くの猫背の方は、腰が後ろに反るようになります。

このようになると、腰の骨を前に引っ張る筋肉(大腰筋)が短縮します。
すると腰の骨はさらに反るようになってしまいます。

呼吸筋である横隔膜は、腰の骨の前にも付いているので、横隔膜に無用なテンションがかかり、呼吸がしにくくなり、苦しくなることがあります。

姿勢の種類その2、平背

平背(へいはい)とは、背骨がまっすぐ過ぎることをいいます。
医学的にはFlat Back(フラットバック)とも言います。

平背の方は見た目には姿勢がきれいに見えるのですが、背骨にはある程度の生理的湾曲というカーブが必要なのです。
背骨の生理的湾曲がなくなると、背骨の動きや肋骨の動きが悪くなり、息がつまるように苦しくなることがあります。

平背の方は、背中の筋肉が緊張しやすく、カラダに力を入れるときに、背中の筋肉に力を入れる癖があります。

特に平背の方が、バレーダンスやヨガなどの背中を後に反らすポーズを多く行うと、軽く前に湾曲しなくてはならない背中が、逆に後に反るような状態になってしまいます。

平背の方はその状態でロックしてしまう癖があります。
このようなときに、息苦しさがひどくなるんですね。
姿勢がまっずぐすぎるのも実は良くないんですよ。

これらが、姿勢による息苦しさの主な原因です。
そして、息苦しさは自律神経に負担をかけてしまいますので、自律神経失調症にもなりやすくなります。
なんだか息苦しいという方は、姿勢を改善されることをおすすめします。

姿勢の改善

息苦しい症状のある方は、猫背の方でも平背の方でも肩が上がっている方が多く見られます。
肩が上がりっぱなしということは、肋骨も上がりっぱなしになっているんですね。

上がりっぱなしの肋骨や肩は、息を吸っている状態で固定されているのと同じです。
ですから、息を吐く時は、意識的に最後まで吐ききるように心がけてください。

息を吐ききると同時に、肩と肋骨を下げるような感覚も持ち、それと同時に段々とおなかがペッタンコになるように意識してください。
肩を下げると呼吸も楽~にできるようになりますので、日頃から意識して肩を下げてくださいね。
姿勢を正しく保てば、呼吸も楽になります。

正常な生理的湾曲はこのような感じです。

  • 頭から首にかけて軽く前にカーブ
  • 背中は軽く後にカーブ
  • 腰は軽く前にカーブ
  • 肩や肋骨は下におりている

次のページでは、呼吸の種類についてお伝えします。


うつナビゲーター 鈴木直人

うつナビゲーター 鈴木直人